ホーロー(琺瑯)について

ホーロー鍋などに使用されるホーロー(琺瑯)について
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ホーロー(琺瑯)とは

金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けた琺瑯

ホーロー(琺瑯)とは鉄(鋼板・鋳鉄)やアルミニウムなどの金属の表面に、無機ガラス質の釉薬を高温で焼きつけることで釉薬と金属表面と相互に拡散し合って強く密着した強固なガラス層(膜)ができた製品です。

琺瑯は金属の表面がガラス質でコーティングされた状態になることから、耐熱性が高く保温性に優れるなどの優れた特徴を持ちます。

さまざまなものに利用されている琺瑯

これらの優れた特徴から、お鍋をはじめとして、浴槽やガスレンジ、グリルなどのほか、化粧パネルなどの建設資材、などでも利用されています。

一昔前には、その耐久性と表面の艶を生かして看板などでも頻繁に使用されていていました。
琺瑯の錆びや腐食に強い性質から数十年前の琺瑯看板が数多く残っており、今では昭和の初期や中期に作られた琺瑯看板はマニアの間で高額で取引されています。

ル・クルーゼ(LE CREUSET) ホーロー鍋 ル・クルーゼ(LE CREUSET) ホーロー鍋

ホーロー(琺瑯)の特徴

熱に強く保温性が良い

琺瑯は金属の表面がガラス質でコーティングされているため、熱に対する耐久性が強く、保温性にも優れています。

錆びにくく腐食しにくい

琺瑯はガラス質のコーティングによって金属を覆っているので、酸や塩分に強い耐久性を持っています。
そのため、錆びが発生しにくいうえに腐食しにくい性質を持ちます。

美しい色

琺瑯の表面を覆っているガラス質には色をつけることができ、美しい艶をもちます。
また、ガラス質を焼き付けるので、色褪せや変色がおこらず、長期にわたり美しさを保ちます。

傷や汚れが付きにくい

琺瑯表面のガラス質のコーティングによって、汚れなどが付きにくくなっています。
そのうえ、高度が高いために傷がつきにくく、雑菌の繁殖を抑える効果があります。

丈夫で長持ち

琺瑯は金属とガラス質を高温で焼き付けることで、科学的・物理的に結合させているために表面が極めて硬く、擦れなどに対しても強くなっています。

UNILLOY 鋳物ホーロー鍋

ホーロー(琺瑯)鍋について

ガスコンロでもIH調理器でも

琺瑯製品で最も身近なものは琺瑯鍋でしょう。
琺瑯は素地が鉄やアルミニウムなどの金属ですから、琺瑯鍋はガスコンロでもIH調理器でも使用することができます。

熱に強い性質があるので、プラスチック部品などを使用しない、全体が琺瑯になっているお鍋はオーブンで使用することができます。

保温性の高い鍋

琺瑯はそのガラス質のコーティングによって、一度温まると表面のガラス質が熱を閉じ込めることになり、保温性に優れています。
また、酸や塩分に対しても耐性がありますので、調理したお料理をそのまま保存することができます。

お手入れしやすい

琺瑯のお鍋は表面をガラス質でコーティングされていますので、汚れが付きにくく、付いた汚れも簡単に落とすことが出来ますので、お手入れも簡単です。

いつまでも美しく

使い込んだお鍋は焦げ跡やくすみなどがついて汚れがたまりがちですが、琺瑯はそのようなことがありません。
また、琺瑯のお鍋は美しく着色されたものがほとんどですが、表面がガラス質でコーティングされている状態のため、耐食性が高く、色があせたり変色したりすることがなく、長い間美しさを保ちます。

注意が必要な面も

さまざまな優れた特徴をもつ琺瑯ですが、気をつけなければならない点もあります。

表面がガラス質なので、衝撃や落下に弱い面があり、硬いものにぶつけたり高いところから落としたりすると表面に欠けや割れが生じることがあります。

また、琺瑯加工の工程上縁の部分などにガラス質でコーティング出来ない部分ができる場合があります。

琺瑯製のお鍋は金属製のたわしや研磨剤など使用すると表面に傷がつく場合があります。

なお、実際に琺瑯鍋を使用する場合の注意事項については、各製品の取り扱い注意をよく確認してください。

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紀元前から利用されていた琺瑯加工

古代エジプト時代から利用されていた琺瑯

琺瑯は非常に古くから利用されていて、その起源は古代エジプト時代にあるとされています。

有名なツタンカーメンの黄金のマスクは琺瑯加工されていて、このことによって黄金の輝きが今でも保たれているとされています。

この、ツタンカーメンの黄金のマスクは琺瑯の最初期のものとされています。
ただし、このころの琺瑯は現在のものとは多少異なり、今の七宝に近いものだったようです。

日本では飛鳥時代から

その後世界中に広かった琺瑯は、シルクロードを経て隋に伝わったのち、朝鮮半島を経由で飛鳥時代に日本に伝わります。

日本でも奈良時代の正倉院の十二陵鏡などに琺瑯が使われ、その後江戸時代には桂離宮のふすまの引手などをはじめとして刀のツバや印籠などさまざまなものに使用されましたが、いわゆる工芸品として利用されていました。

琺瑯が持つさまざまな優れた特徴を生かしての実用化は、イギリスでの錆止めとしての利用が最初だったようです。

日本での実用品化は明治時代

日本で琺瑯製品が実用化されたのは明治時代の1866年で、桑名の大鍋屋広瀬与左衛門が鋳鉄琺瑯鍋をつくったのが最初とされています。

その後、軍で使用される食器に琺瑯製品が採用されたことをはじめとして様々な製品に琺瑯が使われるようになりますが、その当時の琺瑯製品には粗悪品もあったようです。

ル・クルーゼやUNILLOYの琺瑯鍋

現在の日本では非常に質の高いうえに美しいデザインの琺瑯鍋がさまざまなメーカーによって作られていますが、その中でも特に代表的な琺瑯鍋は、ル・クルーゼの製品です。

琺瑯鍋のパイオニア、ル・クルーゼ

ホーロー(琺瑯)鍋といえば、美しい塗装やおしゃれなデザインの琺瑯鍋を作り続けている、ル・クルーゼ。

ル・クルーゼは1925年に創業し、以来さまざまな琺瑯鍋を作り続け、今では世界を代表する琺瑯鍋ブランドへと成長しています。
1991年には日本法人を設立し、それ以来積極的に商品展開し、日本向けの独自製品も数多く作られています。

UNILLOYの琺瑯鍋

日本製でこのところ人気が出ているホーロー(琺瑯)鍋で、UNILLOYの琺瑯鍋があります。

金属製品の産地として世界的に名のある新潟県・燕三条地域のメーカーで、長い間磨かれてきた金属加工技術により、軽い鋳物ホーロー鍋が製品化されています。

UNILLOYの琺瑯鍋はル・クルーゼ同様にデザインにこだわりを見せ、2015年には世界的に権威のあるデザイン賞の「レッド・ドット・デザイン賞」のプロダクトデザイン部門で、最高賞の「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞しています。

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参考:
一般社団法人日本琺瑯工業会
阪和ホーロー株式会社
野田琺瑯株式会社
ル・クルーゼジャポン株式会社
株式会社三条特殊鋳工所

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